2018/01/22

双子ママにおこりやすい妊娠中のトラブル

双子ちゃんの妊娠おめでとうございます。

双子の妊娠は「ハイリスク」と説明されるため、不安になることも多いのではないでしょうか。でも、事前にどのようなトラブルが多いかを把握しておけば、あらかじめ対策のために準備しておくことができますよね。

そこで今回は、双子ママにおこりやすいトラブルをご紹介します。

つわり

「つわり」とは

つわりは平均的に妊娠6~7週からおこる人が多いようです。しかし、もっと初期からおこる人もいますし、おこらない人もいます。

妊娠11~16週までに終わる人が多いとされていますが、出産するまでスッキリしない場合もあります。

つわりの代表的な症状は、嘔吐、倦怠感、食欲の減退、食欲の増進、眠気です。なぜこのような症状が出るか、はっきりした原因はわかっていません。

この期間はとてもつらいと思いますが、無理をせず毎日毎日をなんとか乗りきってください。

「つわりは病気じゃない」と言われますが、これは、病気が原因でおこるものではないということだけであって、決してつらくないということではありません。本当につらいですよね。

ただ、つわりは出産すれば必ず終わります。歯をくいしばって乗り越えるすべてのママは、素晴らしいです!

重症妊娠悪阻

つわりは、妊婦さんの50~80%が経験すると言われています。しかし、症状の程度はさまざまです。

  • 一日で何度も吐く
  • 水分がまったくとれない
  • 体重が1週間で1~2キロ減る

もしこのような症状が出たら、すぐ病院で相談してみましょう。

脱水症状が進むと「重症妊娠悪阻」と診断され、入院治療が必要となることもあります。ビタミン剤等の点滴を受けると少し楽になることもあります。

「つわりは病気じゃない」という言葉にだまされて、我慢しすぎてはいけません。つらいときは、遠慮せずに「つらい」と言いましょう。

なお、重症妊娠悪阻での入院は、傷病手当の対象や医療保険の対象になることが多いです。

双子妊娠とつわり

双子を妊娠するとつわりも2倍になる、ということはありません。

ただ、双子ママが経験した妊娠中のトラブルで一番多いのは「つわり」です。つらいと思ったら、無理せずに休みましょう

流産

双子妊娠と流産

「流産」とは、妊娠22週未満で赤ちゃんが育たなくなったり、子宮から流れ出てしまうことをいいます。

双子の妊娠は流産率がやや高い、というデータが出ています。

出血や腹痛があったときはきちんと診察を受けてください。医師から「問題ない」と言われたら、あまり心配しすぎずに赤ちゃんの生命力を信じて無理せず過ごしましょう。

切迫流産

妊娠22週未満で子宮から出血などがあり、流産しかけている状態だと、「切迫流産」と診断される場合があります。

切迫流産は特別な治療法がなく、「できるだけ安静に」と言われることがほとんどです。

ただ実際には、「安静に」と言われても、上の子がいたり仕事が忙しかったりで、通常と変わらない生活をしている人が多いのも現状です。

早産

早産と双子妊娠

早産とは、妊娠22~37週までに赤ちゃんが生まれてしまうことをいいます。

双子の妊娠は、子宮の中に赤ちゃんがふたりいる状態です。そのため、ひとりの赤ちゃんが子宮にいる状態と比べると、早い段階から子宮内は窮屈になってきます。

双子以上の妊娠の早産率は、ひとりを妊娠した場合の10倍以上であり、双子ママの50%が早産しているというデータがあります。

子宮内が窮屈になってくると体は自然と子宮から赤ちゃんを出そうとするので、早産になってしまうことは当然のことかもしれませんね。

切迫早産

検診では、子宮頸管の長さ、子宮口の開き具合、子宮口のやわらかさを細かくチェックします。

早産になりかけている「切迫早産」であると診断されたときは、自宅か病院で安静に過ごします。

双子妊娠はひとりの赤ちゃんを妊娠している場合より、切迫早産と診断されることも多いです。

貧血

一般的に妊娠中のママは、貧血になりやすいものです。それは、お腹の中の赤ちゃんに血液を届けるために、血液循環量が増えてママの血液が水っぽくなるからです。

ふたりの赤ちゃんに血液を届けなければならない双子ママは、ひとりの赤ちゃんを妊娠しているママと比べて、2倍貧血になりやすいというデータが出ています。

そのため、血液検査で貧血と診断されると治療が行われ、出産に備えます。

妊娠高血圧症候群

「妊娠高血圧症候群」は、以前は「妊娠中毒症」と言われていました。

この妊娠高血圧症候群は、妊娠20週以降産後12週以内に、血圧の上昇または高血圧に尿蛋白を伴う状態をいいます。

妊婦さんの約20人にひとりの確率でおこる症状ですが、双子を妊娠しているとその確率はさらに上がります。

妊娠高血圧症候群になると、お腹の中の赤ちゃんの発育や状態が悪くなることがあるので、医師が子宮の外に出したほうが良いと判断した場合はすぐに出産となることもあります。

感染症

「感染症」とは、ウィルスや細菌などの病原体が原因で発症する病気のことをいいます。この感染症は、双子ママだからおこりやすいものではありません。

膣内の細菌感染症は早産につながることがあるため、早産の兆候が見られる場合には、細菌に感染していないかどうかチェックされます。もし感染している場合には、適切に処置されます。

おりものから悪臭がしたときは、感染症のサインかもしれません。少しでも気になったら、すぐ受診しましょう。

静脈血栓症

「静脈血栓症」とは、静脈に血栓(血のかたまり)ができる症状です。皮膚に近い表在性の静脈におこる場合と、筋肉の中をとおる深在性の静脈におこる場合があります。

それぞれこのような違いがありますが、診断は難しいようです。

表在性(表部)静脈血栓症 皮膚が静脈にそって腫れる。
深在性(深部)静脈血栓症 太ももやふくらはぎに痛みが生じ、皮膚が紫色に変色する。血栓が肺に運ばれると呼吸ができなくなり、深刻な事態となる。

静脈血栓症は、足の血液が停滞した場合におこりやすいとされています。

双子ママは子宮が赤ちゃんふたりぶんの大きさになるので、静脈を圧迫する可能性は高くなります。また、切迫早産や帝王切開で長期にわたって安静にしている状態がつづくと、静脈血栓症のリスクが高くなります。

静脈血栓症と診断された場合は、表在性か深在性かによって処置の方法が変わりますが、お薬で適切な処置が行われます。

深在性(深部)静脈血栓症は、重症化すると非常に危険です。足に疼痛・変色などがあったら、すぐ医師に相談しましょう。

妊娠糖尿病

人の身体は、血液中のブドウ糖をエネルギーに変えるためにインスリンを分泌しています。このインスリンが不足したり、上手に調節できず尿に糖が排出されてしまうのが「糖尿病」です。

そして、この糖尿病を妊娠中に発症するのが「妊娠糖尿病」です。

双子ママだからといって妊娠糖尿病になりやすいわけではありません(アメリカではやや多いというデータがあります)が、妊娠糖尿病の妊婦さんが増えているようです。

妊娠糖尿病が引きおこす症状は以下のとおりです。

ママ 妊娠高血圧症候群・羊水過多症・早産
おなかの赤ちゃん 巨大児・低血糖

自覚症状はないため、検診などで糖負荷試験が行われ、ママの状態をチェックします。

妊娠糖尿病と診断されたら、食事療法やインスリン注射で対処されます。

羊水過多症・羊水過小症

「羊水過多症」とは、子宮内の羊水が800mlを超えた状態です。羊水の過剰な生産か吸収の減少が原因と考えられます。

「羊水過小症」とは、子宮内の羊水が非常に少ない状態で、胎盤の機能やおなかの中の赤ちゃんの腎臓に問題があると考えられます。

双子を妊娠しているときは、とくにおなかの中の2人の羊水量のバランスが大切なので、検診でチェックされます。

羊水量のバランスが失われていて、一絨毛膜性の双子である場合には、双胎輸血症候群の兆候である可能性があります。