2018/01/22

妊活中・妊娠中に知っておきたいTORCH症候群~サイトメガロウィルス~

はじめに

前回の記事では、TORCH症候群のうちの「トキソプラズマ」について書きました。

今回は、TORCH症候群のうちの「C」であるCytomegalovirus:サイトメガロウイルス (CMV)について書きます。

サイトメガロウィルス感染は何が問題なの?

1.妊娠中の初サイトメガロウィルス感染により赤ちゃんに様々なトラブルが起こることがある。

2.サイトメガロウィルスに対する免疫を持っていないママ(妊婦さん)が増えている

3.妊娠中の血液検査でサイトメガロウィルス抗体検査をする病院がかなり少ない

4.免疫の無いママが感染予防を行うことなく生活してしまう。

問題その1:サイトメガロウィルス感染症を抱えた赤ちゃんに起こる障がい

サイトメガロウィルスとは?

サイトメガロウィルスは、世界中のどこにでも存在するウィルスです。

そして、日本人の妊娠可能年齢の女性の60~70%は、過去にサイトメガロウィルスに感染し、免疫を持っているとされています。


妊娠中のサイトメガロウィルス感染

★ママが免疫を持っている場合

ママが妊娠前にサイトメガロウィルスに感染していると、ママは、体の中にサイトメガロウィルスに対する免疫を持っています。

免疫を持っているママの妊娠中に、サイトメガロウィルスがママの体に侵入しても、免疫(抗体)が侵入してきたサイトメガロウィルスをやっつけてくれます。

そのため、おなかの中の赤ちゃんにサイトメガロウィルスが到達することもありません

ただし、ごく稀に、サイトメガロウィルスの免疫をもっているママが、妊娠中に何らかの理由で免疫が低下して、体内でサイトメガロウィルスが再活性化て、おなかの中の赤ちゃんがサイトメガロウィルスに感染する場合があります

★ママが免疫を持っていない場合

ママが妊娠中にはじめてサイトメガロウィルスに感染しても、必ずおなかの中の赤ちゃに感染するというわけではありません。

おなかの中の赤ちゃんに感染する確率は、30~50%です。

しかも、サイトメガロウィルスに感染した赤ちゃんでも、感染の症状が見られない赤ちゃん(症候性感染児)もいます。

サイトメガロウィルスに感染した赤ちゃんのうち、感染の症状が見られる赤ちゃん(症候性感染児)は、10~30%程度です。


サイトメガロウィルスの感染症状

◎胎児のとき

重症な場合には、流産や死産していまいます。

また、妊娠中の超音波診断で、「胎盤や胎児の発達異常」として観察されることがあります。

◎出産後の赤ちゃんの症状

小頭症、水頭症、呼吸障害、難聴、視力障害等

◎出産後しばらくしてからの症状

出産時に何の症状が出ていなくても、上記のような症状が現ることもありますし、出産時にあった症状に、さらに新たな症状が加わることもあります。

問題その2:サイトメガロウィルス免疫をもっていないママの増加

サイトメガロウィルスは、どこにでもあるウィルスですので、昔は、日常生活を送っているだけで子供のうちに感染し、免疫を構築していました。

しかし、現在の清潔な暮らしにより、妊娠可能年齢までにサイトメガロウィルスに感染することなく、妊娠中にはじめてサイトメガロウィルスに感染する妊婦さんが出てきています。

問題その3:自分がサイトメガロウィルス免疫を持っているか知る機会がない

妊娠中の検査では自分のサイトメガロウィルス免疫の有無は不明。

ママは、妊娠すると病院で一般的な血液検査を受けます。しかし、この血液検査では、自分のサイトメガロウィルスの免疫の有無を知ることはできません。

つまり、妊娠中の血液検査でお医者さんに何も言われなかったからといって、自分がサイトメガロウィルスの抗体を持っているとは言えないのです。


 

自費の検査で自分のサイトメガロウィルス免疫免疫の有無がわかる。

自分のサイトメガロウィルス免疫の有無を確認したい場合には、自分から希望して自費で血液検査をしなければなりません。

自費ですが、検査費用は、3000円前後です^^

妊娠中の1度目の検査では、自分のサイトメガロウィルス免疫の有無しかわかりません。すなわち、自分がサイトメガロウィルス免疫をもっているとわかっても、妊娠前に感染したのか、妊娠後に感染したのかはわかりません

しかし、さらに検査を受けることで、サイトメガロウィルスに感染したのが、妊娠前か妊娠後かを調べることができます。


 

妊活中に、サイトメガロウィルス抗体検査を受けておきましょう。

妊活中の方も、自分で希望して、不妊治療クリニックやかかりつけのお医者さんで、サイトメガロウィルスの抗体検査をぜひ受けて下さい。

事前にサイトメガロウィルス免疫を持っていないことを知っていれば、めでたく妊娠した際には、感染予防をしながら生活することにより、後悔せずに妊娠期間を送ることができます。

問題その4:サイトメガロウィルス免疫の無いママの感染予防の無い生活

サイトメガロウィルス感染の一番の問題点は、トキソプラズマ感染と同様、サイトメガロウィルス免疫の無いママが、そのことを知らされることなく、妊娠中にサイトメガロウィルスにはじめて感染し、生まれてきた赤ちゃんがサイトメガロウィルス感染症を抱えてしまうことです。

もし、自分がサイトメガロウィルス免疫が無いことを知っていれば、おそらく全ての妊婦さんは、感染しないように妊娠生活を送るはずです。

確かに、生まれてくる赤ちゃんの数に対して、サイトメガロウィルス感染症を抱えている赤ちゃんは非常に少ない数かもしれません。

しかし、その非常に少ない数の赤ちゃんのママは、苦しい思いをしています。

それは、妊娠中に自分がサイトメガロウィルス免疫が無いことを知っていれば、感染予防ができたのにという悔いが残るからだと思います。


 

サイトメガロウィルス免疫のないママの妊娠中の過ごし方

妊娠中にサイトメガロウィルスに感染する原因で一番多いのは、小さなお子さんの尿や唾液に触れることです。

そのため、オムツ替え、食事の介助、鼻水をふき取ってあげた後は、注意が必要です。

  • 頻繁に20秒以上の手洗いをする。アルコール消毒も有効です。
  • 上のお子さんの食べ残しは食べない。お箸等も別々にする。
  • オムツ替えやトイレ掃除のときは、マスクと手袋を着用する。
  • お子さんとのキスはこの時期だけはやめておきましょう。おでこや頬にしてあげて下さい。
  • 性交渉によっても感染します。コンドームを着用しましょう。

 さいごに

私が妊娠中のサイトメガロウィルス感染のリスクを知ったのは、情報番組でした。

番組には、妊娠中にサイトメガロウィルスに感染し、生まれてきたお子さんが進行性の難聴を患っているママが出演されていました。

ママは、気丈に妊娠中のことやお子さんのことをお話しされていました。

きっと、このママは、自分と同じ思いをするママがいなくなるように、TVでいろいろなおつらい話もして下さったんだと思います。

サイトメガロウィするに関しては、免疫を持っていないことがわかっても、風疹のように予防接種があるわけではありません。

それゆえに、自分がサイトメガロウィルスの抗体を持っているのかどうかを知っておくことは大切です。

そして、知っていれば、予防に努めながら妊娠生活を送ることができます。

ぜひ、みなさん気に留めてみてください。

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