2018/01/22
妊娠中の管理入院費や帝王切開時の出産費用に使える「限度額適用認定証」
1.医療費の3割負担も長期間になれば負担大
前回の記事で、「妊娠中の入院や帝王切開時に頼れる高額療養費制度」について書きました。
「高額療養費」とは、保険診療(健康保険が適用される治療や手術)で病院に支払ったお金が1か月の自己負担限度額を超えた場合に、請求するとその超えた金額がかえってくる制度です。
この制度は、非常にありがたい制度ですが、いったん病院に医療費の3割分の医療費を全て支払わなければなりません。
例えば、1か月の入院でかかった医療費が100万円だった場合には、健康保険が適用されても、100万円の3割分(30%)である30万円については、自分で一旦支払わなければなりません。
数十万のお金を一括で払うとなるととても大変ですよね。
しかも、これが1か月だけなら何とかできるかもしれませんが、数か月以上続くことになると家計が破たんしかねません。
2.「限度額適用認定証」で高額医療費の支払いが最小限に!!
高額療養費を利用しても、自己負担限度額を超えた分のお金がかかってくるのには、3カ月ほどかかります。
長期間の治療や入院で、毎月、毎月、数十万円というお金が出ていく・・・。困った・・・。
そんなときに役立つのが「限度額適用認定証」です。
通常の病院での支払いは医療費の3割分を支払います。
「限度額適用認定証」を健康保険証と併せて病院の会計窓口に提示すると、医療費の3割分の支払いは免除され、高額療養費の自己負担限度額分だけを支払えばよくなるのです。
例えば、入院に100万円の医療費がかかった場合
入院に100万円かかった場合は、医療保険証を提示しなければ、100万円支払わないといけません。
健康保険証を提示すると、病院に支払う金額は30万円になります。
さらに「限度額適用認定証」を提示すると・・・・・
自己負担限度額の区分(ウ)の人であれば、8万7430円を病院の窓口で支払うだけで済みます。
30万円-8万7430円=21万2570円は支払う必要がなくなるのです。
ぐっと用意するお金の負担が減りますよね。
※ただし、窓口で30万円しはらった場合も、後日、高額療養費を申請すれば、自己負担限度額を超えた21万2570円は、3カ月後くらいに戻ってきます。
3.妊娠中に「限度額適用認定証」を利用することはあるの?
妊娠・出産に関しては、経過が順調で自然分娩で出産した場合には、「限度額適用認定証」を使う場面はありません。
①妊娠中の入院で限度額適用認定証明が使える場合
しかし、妊娠中に、
- 切迫流産
- 切迫早産
- 重症妊娠悪阻
- 妊娠高血圧症候群
- 妊娠糖尿病
- 羊水過多・過少症
- 前置胎盤
等、お医者さんの指示のもと入院治療をした場合には、入院費の支払い時に「限度額適用認定証」を利用できます。
②出産費用の支払いで限度額適用認定証が使える場合
出産時に、
- 帝王切開術
- 吸引分娩
をした場合等にも、出産費用のうちの一部(健康保険適用部分)には「限度額適用認定証」が使えます。
4.双子ちゃん妊娠中なら「限度額適用認定証」の準備を!!
過去記事「双子を妊娠したママの2人に1人が経験する「管理入院」とは?」にも書いていますが、双子ちゃんママの2人に1人は、双子ちゃん妊娠中に管理入院を経験しています。
双子ちゃんの出産は、約7割が帝王切開術での出産です。
妊娠中の管理入院、帝王切開術での出産は、共に、「限度額適用認定証」が使えます。
双子ちゃんを出産するママは、管理入院や帝王切開術での出産で限度額適用認定証を使う可能性が非常に高いです。
双子ちゃんを妊娠していることがわかったら、早めに限度額適用認定証を準備しましょう。
ちなみに、このブログの管理人「uzura」は、双子の分娩予約のために病院に電話をしたら、その段階で限度額適用認定証を用意しておくように言われました。
それだけ、双子の妊娠・出産には、限度額適用認定証を利用することが多いということですね。
5.「限度額適用認定証」を受け取る方法は?
では、どのようにすれば「限度額適用認定証」が交付される(もらえる)のでしょうか?
①自分の加入する「健康保険」を知る
まず、ご自身の「健康保険証(健康保険被保険者証)」を用意して下さい。
保険証のおもて側の下の方に、「保険者番号」「保険者所在地」と共に「保険者名称」が書かれています。
この保険証ですと、「全国健康保険協会」ですよね。
ここに書かれている健康保険協会等が、ご自身が加入されている健康保険協会です。
②健康保険協会のHPから申請書をダウンロード
ご自身が加入している健康保険協会等の名称がわかったら、この健康保険協会のHPを、検索してください。
HPが見つかれば、「限度額適用認定書の申請書」をダウンロードできるはずです。
ダウンロードした申請書に必要事項を記載して、健康保険協会に送付して下さい。
よくわからない場合は、ご自身の加入している健康保険協会に電話で問い合わせしてみると親切に教えてくれますよ!
よくわからない場合は、ご自身の加入している健康保険協会に電話で問い合わせしてみてください。
③申請から交付までどれくらいかかるの?
私の経験では、限度額適用認定証の申請書を郵便で送ってから、限度額適用認定証が自宅に送られてくるまでに1か月近くかかりました。
限度額適用認定証は申請したからといって必ず使わないといけないというものではありません。
そのため、必要かな?と思ったら、交付までに時間がかかるので、早めに申請しましょう。
6.限度額適用認定証を利用しても医療費控除の対象
限度額適用認定証を提示して支払った医療費も「医療費控除」の対象となります。
1年間の医療費を計算するときには、限度額適用認定証を提示して支払った医療費も含めて計算してください。
その結果、1年間の医療費の合計金額が10万円を超えていたら、確定申告で医療費控除を申請しましょう。
お金が返ってきますよ!!
7.民間の医療保険の給付金の請求も忘れずに!!
妊娠中の管理入院や帝王切開術での出産は、妊婦さんが医療保険に加入している場合には、給付金の対象になる場合があります。
妊娠中に管理入院をしたり、帝王切開術で出産した場合には、加入されている保険会社に医療保険の給付金の対象になるのではないか?と問い合わせをしてみましょう。
給付金の対象になる場合には、申請して、給付金を受け取りましょう!
現在、医療保険に加入されていない方は、一度、医療保険への加入を検討してみても良いかもしれません。
このブログの管理人「uzura」は、双子の出産後、保険のマンモスさん紹介のFPさんに検討して頂き医療保険を掛け替えました(そのときの記事は、こちらの記事「【双子出産で家計の見直し】保険を見直すために相談した「保険マンモス」さんの評価口コミ」をお読みください)。
女性であれば、独身のとき、妊娠・出産前・出産後等々で、保険を見直すのは大切です。定期的に見直しをしてください。
8.限度額適用認定証をあえて使わないという選択もある!!
今まで、ありがたい限度額適用認定証について、とくとくと語ってきましたが、実は、あえて限度額適用認定証を使わないという選択をするのもアリです。
どんなメリットがあるかについては、こちらの記事「医療費や出産費用は「限度額適用認定証」を使わずクレジット払いがお得」に詳しく書いていますので、よろしければお読みください。