2018/01/22

未熟児養育医療給付制度と乳幼児医療費助成の違いとNICUの入院費にどちらを使えば良いのか?

NICU(又はGCU)にお子さんが入院することになり、病院で「未熟児養育医療制度を利用しますか?」と聞かれたほとんどのママやパパは、「未熟児養育医療制度って何だろう?」と思いますよね。

さらに、他にお子さんがいるなどして、「乳幼児医療費助成制度(通称「マル乳」)」をご存知のパパやママは、「マル乳だけじゃダメなの?どう違うの??」と思うと思います。

そこで今回は、未熟児養育医療制度と乳幼児期医療費助成制度との違いと、NICU(またはGCU)の入院費の支払いのために未熟児養育医療を利用した方が良いのかについて記事にします。

未熟児養育医療制度ってなに?

NICUの入院費はマル乳だけの利用だと自己負担額が大きいの?

という疑問をお持ちのママやパパ!

ぜひご参考になさって下さい。

未熟児養育医療制度と乳幼児医療制度を比較!

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まずは、未熟児養育医療制度と乳幼児医療費助成制度とを、

  1. 助成対象者
  2. 助成対象
  3. 申請処理
  4. 利用可能地域

の4つの観点で比較して表にしてみました。

無題の図形描画

1.対象者

無題の図形描画 (1)

①未熟児養育医療制度

未熟児養育医療制度の対象者(制度を利用できる人)は、おおよそ、産後NICU又はGCUに入院した赤ちゃんです。

未熟児養育医療制度を利用できる赤ちゃんの条件については、コチラの記事に詳しく書いています。

未熟児養育医療を利用したNICUの入院費の支払いから医療費控除の還付金を受け取るまで

②乳幼児医療費助成制度

乳幼児医療費助成制度の対象者は、生まれてから小学校に入学するまでの未就学児のお子さんです。

ただし、所得制限を設けている地域では、パパやママの年収によっては利用できない場合があります。

2.助成対象

①未熟児養育医療制度

未熟児養育医療制度の助成の対象、つまり、この制度を利用して自己負担額が少なくなるお金は、まずは、健康保険適用後のNICU又はGCUの入院治療費などの医療費です。

NICUの入院中の食事代(赤ちゃんなので正確にはミルク代)は、助成の対象になる場合があります。

②乳幼児医療費助成制度

乳幼児医療費助成制度の助成の対象、つまり、この制度を利用して自己負担額が少なくなるお金は、未就学児の間の全ての健康保険適用後の医療費です。

もちろん、NICU又はGCUの入院治療費などの医療費も対象です。

ただし、NICUの入院中の食事代は、助成対象外です。

3.申請処理

無題の図形描画 (4)

①未熟児養育医療制度

未熟児養育医療制度は、最長でも1歳になる前日までの間しか利用できないのですが、申請書類の準備は乳幼児医療費助成制度の申請と比較して面倒です。

特に、「養育医療意見書」という書類はお医者さんに記載してもらわないといけないので、時間もお金(だいたい2000円前後)もかかります。

未熟児養育医療制度の申請書類については、こちらに詳しく書いています。ご覧ください。

未熟児養育医療を利用したNICUの入院費の支払いから医療費控除の還付金を受け取るまで

②乳幼児医療費助成制度

乳幼児医療費助成制度は、市役所等で申請書を記入して提出し、後日、お子さんの保険証のコピーを郵送提出すればOKです。

基本的に、乳幼児医療費助成制度は未就学児の間利用することから、この制度の利用を申請しない人はまずいません。

4.利用可能地域

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①未熟児養育医療制度

未熟児養育医療制度は、全国の指定された養育医療機関(病院)で利用できます。基本的に、NICU又はGCUが併設されている病院は、指定病院に含まれているように思われます。

②乳幼児医療費助成制度

乳幼児医療費助成制度は、お住まいの都道府県の病院でしか利用できません。

ただし、後日、お住まいの地域の市役所などに行き、“乳幼児医療費助成医療証(マル乳医療証)の差額返還”を申請すれば、乳幼児医療費助成制度を利用できなかったために支払ったお金は返してもらえます!

NICU入院費に未熟児養育医療制度を利用した方が良い2つのケース

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このように、NICU又はGCUの入院費に対しては、未熟児養育医療制度も乳幼児医療費助成制度も利用できます。

それなら、乳幼児医療費助成制度は、申請がとても簡単ですし、そもそも、未就学児の間中ずっと利用することから皆が申請する制度なので、こちらの制度をNICU又はGCUの入院費の支払いに利用すれば良いのでは?と思いますよね。

そうです!それで良いと思います。

ただ、これから挙げる2つのケースのいずれかに当てはまる場合は、未熟児養育医療制度を利用した方が良いかもしれません。

①未熟児養育医療制度で入院中のミルク代が減額される場合

未熟児養育医療制度を利用した場合の最大のメリットは、NICU入院中のミルク代が減額される場合です。

ただ、未熟児養育医療制度を利用しても、皆さんのNICUの入院中のミルク代が減額されるわけではないのです。

どういった場合にミルク代が減額されるかを知るためには、未熟児養育医療制度を利用してNICU又はGCUの入院費を支払うときのお金の流れを知っておく必要があります。

そこで、未熟児養育医療制度を利用してNICU又はGCUの入院費を支払うときのお金の流れをイラストでまとめてみました!

①未熟児養育医療制度を利用してNICU又はGCUの入院費を支払うときのお金の流れ

無題の図形描画

ⅰ)まずは健康保険適用

赤ちゃんがNICUに入院している間の入院治療費の総額には、まず健康保険が適用されます。健康保険が適用されることにより、患者の自己負担額は総医療費の2~3割となります。

ⅱ)乳幼児医療助成制度適用

さらに、未熟児養育医療制度を利用してもしなくても、健康保険適用後の総医療費の2~3割額に乳幼児医療費助成制度が適用されて、NICUの入院治療費などの医療費の自己負担額は0円となります。

ⅲ)未熟児養育医療制度適用

一方、NICUの入院中のミルク代は、健康保険の適用外ですし、乳幼児医療費助成制度の助成対象外です。

そのため、ここで、初めて、未熟児養育医療制度が効果を発揮し、NICUの入院中のミルク代が減額される場合があります。

「場合がある。」という書き方をするのは、NICUの入院中のミルク代が減額されるかどうかは、赤ちゃんの家庭の「徴収基準月額」によって決まるからです。

NICUの入院中のミルク代が赤ちゃんの家庭の徴収基準月額を上回っている場合には、NICUの入院中のミルク代が減額されます。

他方、NICUの入院中のミルク代が赤ちゃんの家庭の徴収基準月額を下回っている場合には、NICUの入院中のミルク代は全額自己負担となります。

赤ちゃんの家庭の徴収基準月額は、NICUに入院している赤ちゃんのパパやママの収入で決まります。

パパやママの収入がどれくらいだとミルク代の減額を受けられるのか?という疑問が沸いてくると思います。

正確には、申請してみないとわからないのですが、おおよそ平均的な世帯年収のご家庭では、なかなかミルク代の減額を受けることは難しいと思います。

その一方で、様々な事情で、赤ちゃんが生まれたときに経済的に厳しい状態にあるご家庭は、未熟児養育医療制度を利用すれば、ミルク代の減額を受けることができ、乳幼児養育医療費助成制度だけを利用した場合よりも自己負担額が少なくて済みます。

②里帰り出産などで赤ちゃんがNICUに入院した場合

乳幼児養育医療費助成制度は、赤ちゃんの住民票がある都道府県でしか利用できません。

里帰り出産などで出産して、赤ちゃんが住民票の無い地域の病院のNICU又はGCUに入院した場合、退院時に、病院の窓口で医療費の2~3割(健康保険適用後の金額)を負担しなければなりません。

後日、お住まいの地域で乳幼児養育医療制度を利用して負担額を返金してもらうことはできますが、負担額が高額になると立て替えるのが大変ですよね。

一方、未熟児養育医療制度は日本全国の指定された病院で利用することができます。

NICUが併設されている病院は、おおよそ指定病院に含まれています。

里帰り出産などで出産して、赤ちゃんが住民票の無い地域の病院のNICU又はGCUに入院した場合には、未熟児養育医療制度を利用すれば、病院の窓口での支払いが0円になります。

赤ちゃんの住民票が無い地域で赤ちゃんがNICUに入院した場合には、未熟児養育医療制度を利用してNICUの入院費を支払うことをおすめします。

なお、未熟児養育医療制度の利用に際しては、いったん、NICUの入院費を支払ってから利用することはできないので、NICUの入院費の会計処理が済む前に、未熟児養育費医療制度を利用したい旨を病院に申し出ましょう。

私の未熟児養育医療制度利用体験

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我が家は、双子のうちの1人が、出産後、長期間NICUに入院しました。

入院直後、病院の会計事務の方に、「未熟児養育医療制度は食事代も負担されますよ。」と言われたので、たいして調べもせずに未熟児養育医療制度を申請しました。

結果として、我が家は、「徴収基準月額」が1か月の食事代(ミルク代)を上回ったので、食事代は全額自己負担となりました(それでも、食事代だけ支払って莫大な医療費を公費で支払って頂いたことには本当に感謝しています)。

産後イマイチな体調と入院中の子供に搾乳を届ける忙しい日々の中で、書類を市役所に取りに行ったり、「養育意見書」をお医者さんに書いて頂いたり(1500円の文書代必要でした。)、書類がそろったらまた市役所に行ったりするのは結構大変でした。

また、このときのNICUの入院代は、入院の翌年に請求されたので、医療費控除の申告額が変わり、確定申告もやり直しました。

このような経験があるので、今回、未熟児養育費医療制度と乳幼児医療費助成制度との違いを調べ、NICUの入院費に未熟児養育医療制度を利用した方が良い場合を考えました。

おそらく、産後すぐ赤ちゃんが入院したママやパパは、制度を詳しく調べる心の余裕や時間はないと思います。

ふとした時に、スマホや携帯で検索する程度の時間しかないのではないでしょうか。

そんな時にこの記事が参考になればと思居ます。

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