2018/01/22

思うように働けないときや不当な扱いを受けないように妊婦さんを守ってくれる法律を知っておこう!

はじめに

働く女性は妊娠すると、赤ちゃんを授かったことが嬉しい反面、つわり等で思うように働けなくなる自分の体に戸惑う場合が多いのではないでしょうか。

少し前まで当たり前にできたことができなくなる。さらに、検診に行ったら、母体や胎児の状態から、仕事をセーブするように医師から指導されたりする。

こんな場合、仕事はどうすれば良いのでしょうか。

また、妊娠したことを理由に、勝手に仕事内容を変更されたり、逆に、仕事をセーブさせて欲しいというお願いを聞き入れてもらえなかったり、最悪の場合には、退職を迫られたりした場合には、どうすれば良いのでしょうか。

実は、働く妊婦さんが不当な(納得いかない)扱いを受けることを防ぐための様々な法律や制度があります。

これからその法律を挙げますのでぜひ覚えておいてください。

そして、これらの法律や制度を利用して妊娠時期を乗り切っていきましょう。

妊婦さんが不利益な扱いを受けることを禁止する法律

妊娠を理由に以下のような不利益な扱いをすることは、法律((男女雇用機会均等法第 9 条第 3項)で禁止しています。

  • 自宅待機を命ずる
  • 減給する
  • 望まない部署への変更
  • 不利益な人事評価をする

※勤務時間の短縮や休憩・休業によって実際に勤務しなかった時間分のお給料をどうするかについては、会社と話し合いをして決める必要があります。

妊娠や出産を理由に解雇することを禁止する法律

  • 妊娠中と出産後1年以内の解雇は無効です(男女雇用機会均等法第9条第 4 項)。
  • 産前産後休業中とその後 の30日間は女性労働者を解雇できません(労働基準法第 19 条)。

勤務時間中に妊婦健診を受ける時間を確保するための法律

・会社は妊婦さんが保健指導や妊産婦健診などを受診するために必要な時間を確保しなけ ればなりません(男女雇用機会均等法 12 条)。

妊婦健診は、ママだけでなくおなかの中の赤ちゃんを守るためにも大切なものです。そのため、必ずお医者さんの指導に従って受診しなければなりません。

そのため、就業時間内に妊婦健診を受けるための時間が必要な場合は、会社に妊婦健診に行かせてもらうようにお願いしましょう。

有給か無給かは会社によって違います。

妊娠中の通勤緩和措置や休憩時間の延長を会社に認めてもらうための法律

・会社側(事業主)は、妊婦さんがお医者さんの指示を守るために必要な対策を取らなければなりません (男女雇用機会均等法第13条)。

このような法律があるため、妊婦さんは、お医者さんから、つわりやむくみなどの症状に応じて、又は、母体に負担をかけないために、妊娠中の通勤の仕方の変更、休憩時間の延長、作業の軽減、休業などの指導を医師から受けた場合には、会社に申し出て対応してもらいましょう。


★通勤の仕方の緩和★

満員電車に長時間乗車する苦痛は、つわりの悪化や流産・早産につながるおそれがあります。つらいと感じる場合には、まず、お医者さんに相談しましょう。そして、お医者さんが、「ラッシュアワーの混雑を避けて通勤できるようにして下さい。」と指導した場合には、それを会社側に伝え、通勤の仕方を変えてもらいましょう。

★休憩時間の延長等★

妊娠中に仕事をしていてお腹の張りを感じる場合、足のむくみ等を感じる場合、又は、つわりと体調の兼ね合いで決められた時間以外にも食事をとりたい場合も、お医者さんに相談してみましょう。お医者さんが、会社にその対策をとってもらうように妊婦さんに指導した場合には、妊婦さんは会社側にお医者さんの指導内容を申し出ましょう。こうすることで、会社側に、休憩時間の回数を増やしてもらったり、休憩時間を長くしてもらったり、食事をとる回数を増やしてもらったりしてもらうことができます。


★母性健康管理指導事項連絡カード★

お医者さんの指導内容を会社側にスムーズに伝えるために、「母性健康管理指導事項連絡カード」 を活用しましょう。これおを利用すると、お医者さんが妊婦さんがどのように仕事をするのが好ましいとしているかを会社側に明確に伝えることができます。

母子手帳の後ろの方に「母性健康管理指導事項連絡カード」が付いています。これをコピーして使うか、もしくは、厚生労働省のホー ムページからもダウンロードすることもできます。


危険有害業務の就業を制限する法律

  •  妊婦さんを、重量物を取り扱う業務、有害ガスを発散する場所における業務等、妊娠に有害な業務に就かせてはならない(労働基準法第 64 条の 3 第 1 項)

★妊婦さんにとって「危険有害な業務」とは

  1. 重量物を取り扱う業務
  2. ボイラーの取り扱いや溶接業務
  3. 足場の組立て、解体または変更の業務
  4. 著しく暑熱な場所における業務
  5. 多量の低温物体を取り扱う業務
  6. 著しく寒冷な場所における業務 など

体への負担が少ない仕事内容へ変えてもらうことができる法律

  • 妊婦さんがお願いした場合、他の軽易な業務に転換させなければならない (労働基準法65条第3項)

★妊婦さんの体への負担が大きい作業とは

  1.  重量物(6kg 以上)を取り扱う作業
  2. 外勤等連続的歩行を強制される作業
  3. 常時、全身の運動を伴う作業
  4. 頻繁に階段の昇降を伴う作業
  5. 腹部を圧迫するなど不自然な姿勢を  強制される作業
  6. 前身の振動を伴う作業 など

★妊婦さんの体への負担が大きい環境とは

  1. 強い臭いがする環境
  2. 分煙されていない環境  など

時間外労働、休日労働、深夜業等を制限する法律

  • 妊産さんがお願いした場合、時間外労働、休日労働、または深夜残業をさせてはならない (労働基準法第 66 条)。

※会社側、「代わりの人が いないから」等の理由で断ることはできません。

さいごに

このように働く女性が妊娠しても会社で不当な扱いを受けないように、又、健康に配慮しながら妊娠期を乗り切ることができるように様々な法律があります。

これらの法律を覚えておいて、働き方や過ごし方に希望がある場合には、上司や職場の人とよく話し合って理解して頂きましょう。